参照: 環境省『ペット動物販売業者用説明マニュアル』「動物の特性と飼養方法」 より
犬の飼育について -飼い方のポイントと注意点-
食事と栄養管理
犬はもともと肉食動物ですが、長い間、人間と密着した生活を続けてきたため、現在では雑食性になっています。しかし、犬と人とでは栄養素の必要量にかなり違いがあるので、人と同じ食事を与えてはいけません。たとえば、犬の場合、タンパク質は人間の4~5倍、カルシウムは10倍必要で、逆に塩分は1/3以下、野菜も少量でかまいません。
この栄養バランスを考えて作られているのが、ドッグフードです。手作り食の場合は、肉を中心に、その他の食物で足りない栄養素を補うことになりますが、栄養士でない限り、犬の栄養を満たす食事をつくるのは難しいことです。子犬の頃からドッグフードに慣れさせておきましょう。
ドッグフードを選ぶ際はそれぞれの特徴をよく知り、犬の体調や嗜好、成長などに応じて選びます。例えば、経済性、使いやすさで選ぶならドライタイプが最適です。ウェットタイプの缶詰やレトルトは犬の嗜好性という点で優れています。
ドッグフードの内容表示には食事の目的や内容量、与え方などが明記されていますが、主食には「総合栄養食」と書いてあるものを選び、与える量は、パッケージの表示に従います。また、幼犬用、成犬用等、成長段階に応じたものを与えましょう。
犬の食事は全てドッグフードでも構わないのですが、もうちょっと手をかけたいという場合には、手作り食を検討してみてもよいのですが、犬に必要な栄養をバランスよく配合するのは、簡単なことではありませんので、副食としてドッグフードに調理した肉や野菜を混ぜてあげたり、ときどき手作り食を与えるという程度にとどめておきましょう。
※与えてはいけない食物:玉ねぎ、長ねぎ、にら、生の魚介類、鶏・魚の骨、乳製品、甘いもの、塩辛いもの、香辛料のかかったもの、生卵、アルコールなど。
運 動
屋外へ散歩に出るのは運動が必要ということだけでなく、環境に適応し、心理的な発達や社会性を養う上で大切です。
散歩中は首輪が抜けないように、引き綱(リード)も犬の大きさに適合したものを選んで犬が放れて事故に遭わないよう、また、通行中の人や他の犬に危害を与えないように十分注意しましょう。
しつけの基本
人が常にリーダーシップをとって犬の行動をコントロールすることが「しつけ」の基本です。
家庭犬として飼われている犬種では、子犬の時から主従関係をしっかり認識させ、理想的には、家族の最下位に犬が位置するように接すれば飼い主の要求に従う犬に育ちます。
「尊敬されるリーダーになる」ように厳しくしつけ(ただし体罰は絶対に避ける)、できたら大仰に褒める、というのが「しつけ」を成功させるコツです。生活していく上で、人間にとって不都合な犬の行動は、早めに制御して修正しましょう。
迷惑防止
<排便>
散歩に出かける前の排便のしつけの徹底が望まれるところです。
<鳴き声>
犬の鳴き声については、犬にとって「吠える」ことは、ごく自然なことですが、吠えすぎは近隣からの苦情の原因となります。犬が鳴いたり、吠えたりするのは、何かのきっかけや興奮する原因があったり、何か要求があったり、縄張りを守ろうとしたり、相手を威嚇したり、不安があったりなどが原因となっていますので、これを防止するためにはこれらの原因を除去することとしつけが必要です。
いずれにしろこれは飼い主の自覚によって改善されることですので、十分留意して迷惑をかけて苦情が出ないよう努力しなければなりません。
繁殖制限(不妊、去勢手術)
メス犬を飼い、繁殖を望まないときは、次のような利点がありますので、不妊手術を受けるようにしましょう。
・年2回見られる発情期の出血や心理的変化が抑制でき、ストレスがなくなる。
・偽妊娠の兆候や、メス犬特有の病気、例えば乳腺腫瘍や子宮の病気が予防できる。
<オス犬の去勢手術によるメリット>
・メス犬に対する性的要求や興奮がコントロールされストレスがなくなる。
・攻撃的性格や粗暴な振舞いが抑制され、温和で飼いやすくなる。
・オス犬の高齢犬に発症が多い前立腺の病気や、肛門周囲の腫瘍の予防効果がある。
飼育について、より詳細な情報をお求めの方
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※上記の記載は、下記PDFファイルの抜粋になります。
環境省 『ペット動物販売業者用説明マニュアル』「動物の特性と飼養方法」 より |

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